高濃度フィラー樹脂混練
2軸オープンロール機「ニーデックス」は押出機と比較し、高いフィラー濃度で混練が可能です。
これによりフィラーを高配合したマスターバッチ製造が可能となり、希釈によるフィラー濃度の調整や均一な分散が行えるほか、
ペレット化することでハンドリング性が大きく向上します。
必要に応じ、当社FMミキサで原料を予め混合することも出来ますので、是非ご検討ください。
高濃度フィラー樹脂混練
アルミナ/エポキシ樹脂複合材料の作製
アルミナ充てん率(VOL.%) | 空隙率 (VOL.%) |
---|---|
75 | 2.21 |
79 | 2.22 |
80 | 2.85 |
82 | 3.99 |
熱伝導性材料は高分子材料をベースに熱伝導性の高いフィラーを添加した複合材料です。放熱シートや封止材など多くの用途が見込まれています。
エポキシ樹脂にアルミナ粒子を添加したアルミナ/エポキシ樹脂複合材料を作製しました。処理量はMOS160型で約20~30kg/hrです。
表面処理剤などの助剤を添加せずとも、空隙率を抑えつつ、アルミナ充てん率75~82vol.%の高濃度系の複合材料の作製が可能です
樹脂中のフィラー形状
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ニーデックスは強力なせん断力を有するため、複合材料中のアルミナ粒子の破壊が懸念されます。
しかし、混練した複合材料中のアルミナ粒子の粒度分布は原料と差異が見られませんでした。さらに、電子顕微鏡写真からも、混練後のアルミナ粒子は結晶面が確認できるので、混練後のアルミナ粒子に大きな変化は見られません。
また、アルミナ粉は摩耗性がありますが、ニーデックスでは耐摩耗対策としてロールに超硬溶射することも可能です。
フィラーのなじみ性
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高濃度のフィラーを混練した複合材料では粘度が高くなる傾向があります。その結果、混練時に空気が巻き込みやすくなり、フィラー粒子の抜け落ちやフィラー粒子と樹脂との間に空気層が見られます。
そこで、シランカップリング剤などの表面処理剤を添加することで、樹脂のフィラーとのなじみ性が改善し、フィラーの機能が十分に発揮されます。アルミナ/エポキシ樹脂複合材料では熱伝導率の向上が見られました。
また、本試験では、インテグラルブレンド法で表面処理剤を添加しましたが、事前にFMミキサなどを用いて表面処理を行うことも可能です。
その他の処理例
- 木粉+PP
- GF+PF
- タルク+PP
- ネオジム+PA12
処理品名 | 型式 | 充填率(wt%) | 参考処理能力 |
---|---|---|---|
木粉+PP | MOS240 | 55~80 | 〜100kg/h |
GF+PP | MOS160 | 70 | 〜15kg/h |
タルク+PP | MOS240 | 80~85 | 〜110kg/h |
ネオジム+PA12 | MOS160 | 95~96.5 | 〜35kg/h |
処理能力は、使用する原料・配合等により変動があります。