FMミキサは様々なことが出来る多機能機です
はじめに
「FMミキサ」が開発されてから、半世紀以上も使われているのには理由があります
混合・分散だけでなく、様々な処理が可能です
「FMミキサ」ができる処理についてご紹介します
FMミキサの混合機構
「FMミキサ」は、高速回転する羽根によって、粉末が流動化して非常に強い対流が形成されます。さらに、高速でのせん断は顔料などの凝集粒をも解砕できる作用を生みます。
これらの強い対流混合とせん断混合とによって、短時間でまた高度な混合が可能になります。
また、これらの作用は粉粒体やペーストを取り扱う上での基本的なもので、乾燥他の各種の操作も可能にしました。
FMミキサの応用分野
混合
「FMミキサ」で塩化ビニル樹脂に染料を1%を混合したときの混合度の変化です。時間毎に槽内各点からサンプリング・分析して、染料濃度の標準偏差から求めました。
1分で99.5%に達して、以降の変化は認められず分析誤差と考えています。短時間でよく混合されていることがわかります。
- 機 種:FM10C/I
- 回転数:1900rpm (周速 20m/s)
- 羽 根:ST-A0
- 混合物:PVC+染料 ( 1 %)
- 混合度: MD=(1-σ/σ0 )×100
分散
塩化ビニル樹脂と染料を混合したときの色の変化をみたものです。混合度としては飽和に達しても、明らかに色が濃くなっています。
これは染料粒子が時間と共に解砕されてPVC粒子表面を覆うことで色が強くなっているためです。発色と言われ、顔料の凝集物の解砕も同じです。
このような場合は凝集物の大きさが重要視されるため混合度では評価はできないことになります。
混合とは区別する必要があり「分散」と言われます。分散の評価は、凝集物の大きさを測るか、または色の変化を色差計で測定することも有効です。
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混練
混練にも「FMミキサ」が使用できます。堅牢で長い羽根を使用しているので粘稠物でも混合可能です。加熱溶融も可能で、特に高粘性の樹脂をワックスなどの低融点・低粘度物と溶融・混練(ホットメルト)する場合に有効です。
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乳化
乳化も流体せん断によります。したがって、「FMミキサ」の高速回転が非常に有効です。粒子径は回転速度で調整することができます。
また、継続して脱泡処理をすることもできます。 -
脱泡
「FMミキサ」は密閉構造がとれるので真空にすることができます。これにより脱泡も可能です。また、対流が強いので液面での脱泡確率が高く、微細な気泡も除去が可能です。
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含浸(吸収)
「FMミキサ」の攪拌熱によって樹脂に油脂類の吸収を促進させることが可能です。吸収過程で付着しやすくなる材料で有効です。
混合性能が良いので油脂類を均一に含浸させることができて、成形不良を解消できます。 -
表面処理
「FMミキサ」を使って色々な表面処理ができます。
- 改質
無機粉末表面を油性化することで樹脂中への分散が向上します。
脂肪酸によるコーティングとカップリング剤の反応による方法があります。
- 複合化
粒子表面に微粉末をコーティングすることができます。
- 球形化
強い混合力で衝突および転動作用が発生して球形化が行われます。
- 改質
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粉砕・解砕
「FMミキサ」は高速運転のせん断力によって粉砕・解砕が可能です。
電子部品のリサイクルを簡単にするため、携帯電話やスマートフォンなどの基板を粉砕することも行えます。
その他にも錠剤やカプセルを包んでいるPTP包装シートの分離も行うことができます。 -
造粒
「FMミキサ」を使って色々な造粒ができます。
- バインダ液を使った造粒
粒子の濡れで付着・凝集が起こり、転動作用で粒が形成され
さらに圧密と球形化の作用で造粒することが可能です。
- 加熱造粒
加熱溶融物をバインダとして利用して造粒が可能です。木質樹脂など複合プラスチックのコンパウンド製造用としても使用できます。
- 液中造粒
懸濁液中で油性粒子を造粒する
方法です。
- バインダ液を使った造粒
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乾燥
「FMミキサ」は設置スペースが小さい乾燥機としても使用できます。
「FMミキサ」の強い対流でジャケットとの伝熱係数が大きく、撹拌熱も利用すれば大きな熱量を材料に与えることができます。密閉構造にできることから、有機溶剤も安全に乾燥・回収でき、真空にすることで低温乾燥と大きい乾燥速度が得られることも特徴です。
PETの乾燥も除湿空気を使った乾燥システムで対応することができます。
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反応
混合作用が良いので均一な反応にも利用できます。
反応速度が大きくなりますが、逆に徐々に添加しながら反応を進めることで、急激な反応を抑えることもできます。
酸化しやすい金属粒子表面に酸化皮膜を形成させることで、さらなる酸化を抑えることを目的とした徐酸化処理も可能です。
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