正極材 リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP電池)

はじめに

今回は正極材 リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP電池)についてご紹介します。

リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP電池)とは

リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP電池)とは、正極材料にリチウム(Li) ・鉄(Fe)・リン(P)を用いたリチウムイオン二次電池の一種で、正極活物質の化学式は「LiFePO₄ 」になります。LFP電池が発明された当初、リチウムイオン電池としてはエネルギー密度が低く、期待度の低い電池でしたが、近年ではその安全性の高さや性能向上により車載電池として特に注目されている電池の一種です。

【特徴】
・熱暴走のリスクが低い
・他と比べ比較的長いサイクル寿命を持つ
・CoやNiなどのレアメタルを使わないため安価である
・エネルギー密度は他と比べ劣る
・常温と比べ低温(0℃以下)環境では性能が落ちる

【主な用途】
・電気自動車(EV)
・蓄電システム
・ポータブル電源

LFP電池の課題

安全性・寿命・コスト面において優秀なLFPですが、課題として真っ先に挙がるのが、
エネルギー密度の低さです。これはオリビン構造と呼ばれるLFPの結晶構造がLi+の動きを妨げて電気特性を低くしてしまうことが主な原因になります。
このような問題に対して、
・LFPの微粒子化
・他元素の添加
・原料配合比率の最適化
・カーボン被覆(複合化)
などの研究・開発が進められており、これらの操作よって電気特性を向上させることが分かっております。

LMFP電池

LFP電池をベースにMn(マンガン)を添加し、Feの一部をMnに置き換えることで起電力が高まり、エネルギー密度向上に成功した電池です。最近では中国の各大手電池メーカがEV車搭載用LMFP電池の開発に成功し、量産体制の構築を進めていると続々と発表されている注目の電池です。

LFP正極活物質の製造工程と当社機器の提案

※上記製造工程は下記特許を参考に引用しておりますが、当該特許技術に当社機器が利用されて
 いる事を示すものではありません。

株式会社三井E&Sホールディングス 橋本聡司、宮内啓成
リン酸鉄リチウム正極活物質の製造方法
特許第6388340号

当社機器のご提案

FMミキサ(混合、乾燥)

粉体の混合、分散処理はお手の物。
加熱混合や溶融・溶解を伴うペースト処理も可能で、乾燥、コーティング処理や改質、複合化なども行えます。

【耐摩耗処理】
超硬溶射など耐摩耗仕様によって、金属コンタミを嫌う粉体処理も対応可能です。

【数十種類の羽根の組合せ】
適切な処理のためには羽根の選定が重要です。当社では豊富な実績とノウハウから処理目的に合わせた羽根の選定が可能です。

「FMミキサ」製品ページ

コンポジ(混合、複合化)

羽根の超高速回転により混合・分散しながら粉体に衝撃力を加えることで、異なる粒子の複合化や粒子の表面改質、カプセル化などの粒子設計を実現する粒子設計装置です。

【3種類の羽根】
3種類の羽根の使い分けによって、処理粉体の特性に合わせた柔軟な対応が可能となります。

【超高速回転】
約100m/sの羽根周速と衝突板の効果で従来にない強力な剪断力を得ることができます。

【スケールアップ】
大型機の実績とテスト機を完備し、「FMミキサ」で培ったノウハウでスケールアップを確実に行います。

「コンポジ」製品ページ

プラネタリミキサ(混合、混練、分散)

羽根とタンク壁面との隙間での大きな剪断力と、タンク中心部での二つの羽根による強いニーディング効果が得られますので、効率的な混合が可能です。

【多軸攪拌羽根】
多軸攪拌羽根とディスパーから得られる効率的な攪拌が、幅広い処理粘度への対応を可能にします。

【構造の簡略化】
構造がシンプルなためメンテナンスが容易です。

「プラネタリミキサ」製品ページ

アトライタ(乾式粉砕、湿式粉砕、湿式分散)

目標粒子径:5~50µm(乾式)、0.5~500µm(湿式)

粉砕室に投入したボールを攪拌して処理物に衝撃や剪断力を与え、粉砕・分散します。

【耐汚染仕様】
 耐汚染仕様として接粉部のオールセラミックス化も対応可能です。

【クローズドシステム】
 不活性ガスを使用したクローズドシステムも対応可能です。

「アトライタ」製品ページ

アルケミ(乾式粉砕)

目標粒子径:5~50µm

アトライタの課題であるボールや処理物の自重の影響によるエネルギー分布の不均一性を改善し、粉砕効率のUPに成功した機器です。

【クローズドシステム】
不活性ガスを使用したクローズドシステムも対応可能です。

「アルケミ」製品ページ

SCミル(湿式粉砕、湿式分散)

目標粒子径:100~500nm

L/Dが小さい特殊な構造により、全てのビーズが均一に動くため、効率の良く大流量のスラリ排出が可能になります。

【ポンプレス運転】
遠心ポンプ同様の構造のため、ポンプが無くてもスラリーの自己循環が可能です。
*大型機や処理物の特性によってはポンプ循環が必要な場合がございます。

【粉砕室耐汚染仕様】
粉砕室材質にジルコニアや樹脂を採用した耐汚染仕様への対応も可能です。

「SCミル」製品ページ

MSCミル(湿式粉砕、湿式分散)

目標粒子径:100nm以下

メディア分離方法をギャップ式から遠心分離式にしたことにより、SCミルよりも更に小さいメディアの使用が可能になりました。

【粉砕室耐汚染仕様】
粉砕室材質にジルコニアや樹脂を採用した耐汚染仕様への対応も可能です。

【クローズドシステム】
不活性ガスを使用したクローズドシステムも対応可能です。

「MSCミル」製品ページ

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様々なシチュエーションに対応します。

技術情報には掲載していない情報もお伝えすることができますので、
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