「ビーズセパウォッシュ」を導入した際のコスト試算

はじめに

ビーズミルにおいて、ビーズは性能に影響する重要な因子であり、定期的にビーズ量、ビーズ径を管理する必要があります。ビーズの管理方法と当社製品である「ビーズセパウォッシュ」を導入した際のコスト試算をご紹介します。

ビーズの管理を怠ると?

ビーズミルを使用する際にビーズの管理を怠ると以下のような問題が生じます。
・ビーズが摩耗で小さくなり、充填率が低下するため、生産能力が落ちる。
・ビーズが摩耗で小さくなり、処理物に対して最適なビーズ径でなくなるため、粉砕能力が落ちる。
・欠けたビーズが処理物に混じりコンタミの原因になる。
・欠けたビーズや摩耗で小さくなったビーズがスクリーンに詰まる。
同運転条件下でエネルギー(電流値や電力値)が低下し、目標粒径までの粉砕時間が延びる現象によってビーズの摩耗に気付くお客様が多いのが現状ですが、処理品の品質を安定させる為にも、ビーズの管理は非常に重要な工程となります。

ビーズの管理方法

ビーズの管理は以下の方法で実施することが一般的ですが、ビーズ径が小さくなるにつれ、洗浄・選別にかかる時間や労力が増し、ビーズミル保全担当者の負担が増えます。
<洗浄>
・φ0.2mm以上・・・ビーズと洗浄溶媒を機械で攪拌して洗浄
・φ0.2mm未満・・・手作業(お米を研ぐようにして洗い、すすぐ)
<選別>
・φ0.2mm以上・・・乾燥後、手篩や振動式篩で摩耗したビーズや異物を除去
・φ0.2mm未満・・・振動式篩では難しく、時間をかけて手篩することが多い。また、分級効率も低下する。

当社のテストセンターでは以下の方法でビーズ管理を行っています。小径ビーズの場合には、「ビーズセパウォッシュ」が活躍しています。
・φ0.1mm以上・・・アトライタにて洗浄。乾燥後、篩分け。

「アトライタ」の製品ページ

・φ0.1mm未満・・・「ビーズセパウォッシュ」にて全自動洗浄・分級
 (φ0.8mmビーズ用ビーズセパウォッシュを製作した実績あり)

コスト試算①

φ0.1mm以下のビーズは洗浄・選別が難しい為、一定期間ごとに全量廃棄するのが一般的です。
φ0.1mm以下のビーズ管理方法を
◎ケース1・・・洗浄・選別は実施せず、定期的に全量廃棄
◎ケース2・・・ビーズセパウォッシュで全自動洗浄・選別
の2ケースで比較します。

◎ケース1・・・洗浄・選別は実施せず、定期的に全量廃棄
 ビーズ購入費=年間ビーズ使用量×1kg当たりのビーズ購入金額
       =20kg×100,000円
       =2,000,000円

◎ケース2・・・ビーズセパウォッシュで全自動洗浄・選別
 BSW導入費=450,000円/年(標準価格5,400,000円を12年償却として)

 補充ビーズ価格=年間ビーズ使用量×BSW篩下率×1kg当たりのビーズ購入金額
        =20kg×0.1×100,000円
        =200,000円

 BSWの電気代 =電気料金×消費電力×運転時間×処理量/BSW1バッチの処理量
        =30円/kWh×1kW×3.5hr×20kg/10kg
        =210円

 BSWの水道代 =水道料金×1バッチの水使用量×処理量/BSW1バッチの処理量
        =300円/m3×0.2m3×20kg/10kg
        =120円

 BSWの人件費 =作業者の時給×1バッチの作業時間×処理量/BSW1バッチの処理量
        =961円/hr×0.25hr(15分)×20kg/10kg
        =481円

 年間コスト=BSW導入費+補充ビーズ価格+電気代+水道代+人件費
      =450,000円+200,000円+210円+120円+481円
      =650,811円

◎削減コスト=2,000,000円-650,811円=1,349,189円

※1 篩下率は今までの実績などから推定 
※2 電気料金、水道料金は概算値

コスト試算②

φ0.1mm以上のビーズは選別が難しいですが、洗浄後、乾燥させてから手篩または振動式篩などによって選別するのが一般的です。
φ0.1mm以上のビーズ管理方法を
◎ケース1・・・人手にて洗浄・選別
◎ケース2・・・ビーズセパウォッシュで全自動洗浄・選別
の2ケースで比較します。

◎ケース1・・・人手にて洗浄・選別
 人件費=年間ビーズ使用量×1kg当たり洗浄・選別時間×作業者の時給
    =240kg×5hr×961円/hr
    =1,153,200円

◎ケース2・・・ビーズセパウォッシュで全自動洗浄・選別
 BSW導入費=450,000円/年(標準価格5,400,000円を12年償却として)

 BSWの電気代 =電気料金×消費電力×運転時間×処理量/BSW1バッチの処理量
        =30円/kWh×1kW×3hr×240kg/10kg
        =2,160円

 BSWの水道代 =水道料金×1バッチの水使用量×処理量/BSW1バッチの処理量
        =300円/m3×0.2m3×240kg/10kg
        =1,440円

 BSWの人件費 =作業者の時給×1バッチの作業時間×処理量/BSW1バッチの処理量
        =961円/hr×0.25hr(15分)×240kg/10kg
        =5,766円

 年間コスト=導入費+電気代+水道代+人件費
      =450,000円+2,160円+1,440円+5,766円
      =459,366円

◎削減コスト=1,153,200円-459,366円=693,834円

※2 電気料金、水道料金は概算値
※3 作業者の時給は、最低賃金の全国平均値(2022年)

最後に

ビーズセパウォッシュを使用すると、ランニングコストを削減することが出来ます。またビーズの管理方法が一元化されるため、ビーズミルでの処理品の品質安定も期待できます。更に再利用によりビーズの廃棄を少なくすることもでき、SDGsや地球環境に配慮した取り組みにもつながります。是非ご検討下さい。

「ビーズセパウォッシュ」の製品ページはこちらから

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