ビーズミルのスケールアップ

はじめに

ラボ機で粉砕・分散処理が確認できたら、次は生産量に見合った型式を選定するためにスケールアップ計算を行います。ここでは当社が行っているスケールアップ手法をご紹介します。

スケールアップについて

スケールアップは基本的に下記を合わせる必要があります。

スケールアップ計算

当社では粉砕機のスケールアップを行う場合、ボール能率を利用して生産機に必要なビーズ量を計算します。
下記の式をつかってラボ機の条件でボール能率を計算します。

スケールアップの例

まず、ラボ機のボール能率を計算します。

次にボール能率の値を用いて、100kg/hを想定した生産機ではどのくらいのビーズが必要になるか計算します。

今回の例では40kgのビーズが必要になりますので、そのビーズ量に相当するビーズミルを選定することで、生産機の型式が確定します。

スケールアップの注意点

ビーズミルは大型化することで遠心力が小さくなるため、小型機に比べ大型機は粉砕効率が悪くなります。
そのため、ビーズミルメーカーは独自のスケールアップ係数を用いて、大型機の効率を推定します。

当社のL/D(タンク長さ/タンク径)が小さいSCミルやMSCミルは粉砕ロータの周速を調整することで、スケールアップ係数をボール比の1乗にでき、小型機と同等の能力を出すことができます。L/Dが大きい一般的なビーズミルのスケールアップ係数はボール比の0.8乗前後となり、条件を調整したとしても大型化することで能力は大幅に下がります。

その他の注意点

スケールアップはビーズミルの型式だけでなく、処理条件に合わせたスラリー流量、配管径、熱交換器の面積、冷却水の温度など、システム全体で考える必要があります。

当社ではビーズミルを使った多くのシステム構築の実績とノウハウを有したエンジニアリング部門があります。ビーズミルだけでなく前後設備を含むエンジニアリングもお任せください。

スケールアップを簡単に確認するには?

型式ごとの生産能力はHPの各機種の詳細ページに記載しております。
「処理量の目安」を参照ください。生産量の比が能力比になりますので簡易的に生産機を推測することが出来ます。

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