はじめに
負極活物質はリチウムイオンをより多く吸蔵・放出できる必要があります。これまでに実用化された代表的な負極活物質は炭素材料とチタン酸リチウムが挙げられます。また、近年では大きな理論容量を有する金属シリコンにも注目が集まっています。今回は負極材の特徴と当社機器の処理技術について紹介します。
負極活物質の種類と特徴
黒鉛(グラファイト)
黒鉛はこれまで実用化されてきたリチウムイオン電池の負極材として広く採用されています。黒鉛は天然黒鉛と人造黒鉛の2種類に大別できます。天然黒鉛は人造黒鉛より安価であり、黒鉛化度が高い特徴があります。一方で、天然黒鉛は鱗片形状であるため嵩密度が低く、電池容量が低いデメリットがあります。当社の処理技術「複合化・球形化」により、上記問題を解決します。
チタン酸リチウム(LTO)
スピネル構造を有するチタン酸リチウムLi4Ti5O12材料です。 Li4Ti5O12は体積変化を伴わないリチウムの可逆的な挿入・脱離反応により、高い安全性、高いサイクル性がといったメリットを有しており、これまでに車載用電池用途などで採用されています。一方でLi4Ti5O12は電子導電性が低い、理論容量が低いといったデメリットがあります。当社の処理技術「複合化、ナノ粒子化」により上記問題を解決いたします。
合金系材料
黒鉛の代わりにケイ素やスズをはじめとする金属及びそれらの合金を用いた代替材料です。ケイ素やスズは黒鉛と比較して非常に高い理論容量を有し、近年注目されています。一方で、充放電に伴う体積変化が大きくサイクル性が低い、不可逆な容量減少が大きいといったデメリットがあります。また、金属粉末は可燃性を有するため、不活性雰囲気化での処理が求められます。当社の処理技術「微粒子化、複合化、クローズドシステム」により上記問題を解決いたします。
その他
金属窒化物や金属酸化物、金属硫化物などが負極材として検討されています。
当社機器の提案
FMミキサ(混合、分散、複合化)
【多種多様な粉体処理】
粉体の混合、分散処理のみならず、加熱混合や溶融・溶解を伴うペースト処理も可能で、乾燥、コーティング処理や改質、複合化なども行えます。
【耐摩耗処理】
耐摩耗溶射により金属コンタミを低減した粉体処理をご提案いたします。
コンポジ(複合化、球形化)
【高速処理による複合化・球形化】
100m/sの羽根周速度と衝突板の効果で従来にない強力なせん断が生じて、効率の良い複合化・球形化処理が可能です。
【スケールアップもお任せ!】
大型機の実績とテスト機を完備し、大型機へのスケールアップを確実に行います!
プラネタリミキサ(混合、混練、分散)
【スラリー化】
活材のスラリ化および高分散処理が可能。
【高粘度処理物でも対応可能】
多軸攪拌羽根(2本)とディスパーを設置し、幅広い粘度に対応します。
ダイナミックミル(乾式粉砕)
目標粒子径:3~10μm
【クローズドシステム】
プロセスを不活性ガス雰囲気にすることが可能!
【セラミック仕様】
金属コンタミレスな粉砕をご提案いたします!
アルケミ(乾式粉砕)
目標粒子径:5~50μm
【クローズドシステム】
プロセスを不活性ガス雰囲気にすることが可能!
【結晶子サイズの微細化】
微細化による電池サイクル性の向上、伝導性の向上が見込まれます!
アトライタ(湿式粉砕、乾式粉砕、分散)
目標粒子径
湿式:0.5~500μm、乾式:5~50μm
【耐汚染対策】
接液部を耐汚染仕様としてジルコニア、アルミナ、ナイロンなどにできます!
【大型機の実績】
小型機から大型機までテスト機を常備していますので適切なスケールアップを容易に行えます!
SCミル(湿式粉砕、分散)
目標粒子径:100~500nm
【ポンプレス運転】
ポンプを使わない循環運転が可能です。
プロセスラインの洗浄時間短縮やメンテナンス費用を削減できます!
*大型機や処理物の特性によってはポンプ循環が必要な場合があります。
【樹脂・セラミックス仕様】
金属コンタミレスな粉砕ご提案いたします!
MSCミル(湿式粉砕、分散)
目標粒子径:100nm以下
【クローズドシステム】
湿式プロセスを不活性ガス雰囲気にすることが可能です。可燃性のある金属粉末の粉砕もお任せください!
【樹脂・セラミックス仕様】
金属コンタミレスな粉砕ご提案いたします!
機器導入に関してのご相談から専門的な技術セミナーまで
様々なシチュエーションに対応します。
技術情報には掲載していない情報もお伝えすることができますので、
当社機器にご興味を持たれた方は是非お問い合わせください。