二酸化ケイ素 表面処理
表面処理(二酸化ケイ素)に興味のある方へ。近年、粒子設計では粒子に表面処理を施すことにより、粒子に付加価値や新たな機能を付加できるようになりました。表面処理について詳しくご説明します。表面処理(二酸化ケイ素)に興味のある方も、まずはご相談下さい。
■表面処理とは
表面処理とは粒子表面に物理的、化学的処理を施すことです。表面処理をすることにより粒子単体では得られない性質や特性を付加させることを、特に「表面改質」と呼びます。表面改質を行えば、親油性、親水性、伝導性、流動性など、さまざまな機能を粒子に付加することができます。また表面改質は、「コーティング」、「カップリング処理」、「複合化」、「球形化」などに分類することができます。
<コーティング>
コーティングとは、粒子表面に薄い膜を形成させることです。当社の「FMミキサ」はこのコーティング操作を得意としています。混合槽内で粉体の循環流を形成し、液状のコーティング剤を添加することで、粒子表面に均一にムラなくコーティングすることが出来ます。高速攪拌により、他機構のミキサよりも効率よく、ムラのないコーティングをすることが出来ます。以下のように、ステアリン酸やマレイン酸などの脂肪酸やワックスなどの常温で固形状のものと材料を一緒に仕込み、加熱混合することでのコーティングも可能です。また一般的に粉体表面は、0.2~0.3%の吸着水で覆われています。コーティング前に粉体を加熱し、吸着水を飛ばすことで、コーティング効率を上げることもできます。
<カップリング処理>
カップリング処理とは、極性の異なる無機物(親水性)と有機物(疎水性)を繋ぐ働きを持つ官能基を粒子表面に結合させる処理です。耐水性、親油性、分散性、ぬれ性など機能を付加することが出来ます。乾式処理法でのカップリング処理では、「FMミキサ」が活躍しています。主な乾式処理法の工程は以下の通りです。湿式処理法に比べ、乾式処理法は生産性が高いメリットがあります。コーティング同様、粉体表面の吸着水を事前に乾燥させることによって、カップリング効率を上げることが出来ます。
<複合化>
複合化とは、母粒子に子粒子を固定化させる処理です。粒子にせん断エネルギーや衝突エネルギーを与えることで、母粒子と子粒子が複合化します。一般的に子粒子は母粒子の1/10~1/20以下の大きさが好ましいとされています。また複合化の効率を上げるため、バインダーを加えることもあります。複合化の仕組みは下図の通りです。母粒子表面に子粒子が付着、固定化、打ち込み・カプセル化の順に進み、バインダーを用いた場合にはバインダーを熱分解させることで焼結体が生成されます。
当社機器「FMミキサ」、「コンポジ」、「メカノハイブリッド」で複合化処理が可能です。これらの機械は、混合槽底にある羽根を高速攪拌させることで複合化に必要なエネルギーを発生させます。左図は、当社機械での複合化実績です。ナイロン球に二酸化チタンを複合化しました。3min、15min処理品ではナイロン球表面に二酸化チタンが打ち込まれいることが確認できますが、60min処理品では二酸化チタンが表面に見えなくなるまで打ち込まれていることがわかります。粒子の動摩擦係数を見ても、30min処理品はナイロン球と同等の動摩擦係数となっています。これはナイロン球表面に存在していた二酸化チタンが、30min処理することでナイロン球内部まで打ち込まれ、粒子表面に存在しなくなったことを裏付けています。当社粉体技術センターでは、動摩擦測定も可能です。また、電池材料やトナーの外添処理などの納入実績やテスト実績が多数ありますので、興味のある方はお問合せ下さい。
<球形化>
球形化とは、粒子表面に生じた凸部を打ち込ませるあるいは磨砕させることにより、粒子表面を滑らかにする処理のことです。球形化により、流動性、充填率の向上や粒子を基盤に塗布した際の膜厚の均一化が見込まれます。球形化処理は磁性トナーが有名です。以下、磁性トナーの球形化処理例です。処理前は、粒子表面に磁粉が突き出た状態となっていますが、処理を施すことで粒子中に磁粉が打ち込まれ、表面が滑らかになっていることが見て取れます。なお、材料をガラス転移点付近の温度に調節することで、球形化を促進させています。
<処理例>
処理例として以下の実績をご紹介します。その他実績多数ございますので、粉体の表面処理をご検討されている方はお気軽にご相談頂ければと思います。
・電池材料の表面処理
リン酸鉄リチウム、鉄系合金、水酸化アルミニウム、水酸化ニッケル、カーボンブラック、CNTなど
・無機物のシランカップリング
酸化チタン、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、鉄粉など
・化粧品材料の表面処理
酸化チタン、マイカ、タルクなど
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二酸化ケイ素 表面処理
■表面処理・複合化について
混合機の表面処理は材料を均一に流動させることが重要です。日本コークス工業の「FMミキサ」は粉の性状に合わせた羽根の選択でムラの無い流動状態を作り上げ、均一に表面処理を行います。複合化には強い剪断力が必要です。羽根速度を100m/sで運転しても材料に均一なエネルギを与えられる特殊設計が当社のノウハウです。混合機の取り扱い60年以上の歴史、 12,000台以上の販売実績、 15,000件以上のテスト実績から最適な混合機と処理方法をご提案いたします。
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■このような方はご相談下さい
・表面処理(カーボン、化粧品、粉体、酸化チタン、酸化亜鉛、シランカップリング剤、疎水性、炭酸カルシウム、炭素繊維、タルク、二酸化ケイ素、濡れ性、フィラー)に興味のある方
・カーボンナノチューブ(フィラー、マイクロ波、造粒、リチウムイオン電池)に興味のある方
■ニーデックスのご紹介
~高フィラー配合可能な連続型の二本ロール、職人の技を安全に自動化できます~
「ニーデックス」はスパイラル状の溝がある2本のロールに速度差と温度差を持たせて、片方のロールに処理物を巻き付かせ、混練しながら排出側に搬送する連続型の二本ロールになります。ロール間で発生する強力な圧縮・せん断作用で高濃度のフィラーでも均一に混練することができます。 また、二本ロールと同じオープンタイプなので、押出機に比べると清掃は非常に簡単になります。
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■電池業界における当社機器のご提案
スマートフォン、タブレットPC、EV車など私たちの生活の質を大きく向上させた製品は、リチウムイオン電池なしでは成り立ちませんここでは電池の製造工程に沿って当社機器をご提案します。
~正極材の乾式製法でのご提案~
<前処理>
混合前の前処理・水和物などの乾燥
・真空乾燥システム
ppmオーダの乾燥、スラリー状態からの乾燥が可能。低温でムラなく乾燥します。
<混合>
・各種材料の精密混合
短時間でムラのない混合を!各種材料の乾燥~混合までミキサ1台で処理することも可能
<複合化>
・粒子表面処理(表面コーティング・表面の活性化)
・メカノケミカル処理(焼成温度の低下・焼成時間短縮)が期待
<粉砕・分級>
・粗粉砕~微粉砕の2工程をファインミル1台で
焼成後材料の粗粉砕・微粉砕処理を1台で!二次粒子を壊さず、解砕処理が可能
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表面処理(二酸化ケイ素)に興味のある方も、まずはご相談下さい。
お問い合わせはこちらから
日本コークス工業株式会社 化工機事業部
本店:〒135-6007 東京都江東区豊洲3丁目3番3号 豊洲センタービル
TEL:03(5560)2906
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